シナジス注射とRSウイルス

本日は、シナジス注射の対象のパパとママに向けてのお話しです。

RSウイルスは、ほとんどの乳幼児が2歳までに罹るとされる感染症です。
学童以降のお子さんや大人が感染した場合は、軽い風邪症状で終わることも多いですが、
特に、予定日よりも早く生まれた赤ちゃん・生まれつき呼吸器や心臓に病気を
持っている赤ちゃん・免疫不全を伴う赤ちゃん・ダウン症候群の赤ちゃんが
感染すると重症化しやすいため、注意が必要です！
RSウイルス感染症の重症化を防ぐためには、シナジスという注射を投与することができます。
シナジス注射は、〈RSウイルス感染症に罹ったときに重症化しやすいお子さん〉が対象で、
夏～春にかけて毎月１回注射していきます。

〈シナジス注射の対象〉
■ 早産児　
　お母さんのお腹にいた期間が28週以下で、RSウイルス流行時期に12ヵ月齢以下の赤ちゃん
　お母さんのお腹にいた期間が29～35週で、RSウイルス流行時期に6ヵ月齢以下の赤ちゃん
■ 慢性肺疾患をもつお子さん
　過去6か月以内に気管支肺異形成症の治療を受けたことがあり、RSウイルス流行時期に24ヵ月齢以下のお子さん
■ 先天性心疾患を持つお子さん
　　　RSウイルス流行時期に24ヵ月齢以下の先天性心疾患児で、血行動態に異常があるお子さん
■ 免疫不全を伴うお子さん
　RSウイルス流行時期に24ヵ月齢以下の免疫不全を伴うお子さん
■ ダウン症候群のお子さん
　RSウイルス流行時期に24ヵ月齢以下のダウン症候群のお子さん

当院では、対象の赤ちゃんへのシナジス注射にも対応しております。
もちろん、定期予防接種と一緒にすすめていくこともできます。
日時もご都合に合わせて調整いたしますので、対象の方は是非お気軽にご相談くださいね。

また、RSウイルス感染症には、有効な治療薬はないため、
まずは「かからないように予防する！」ことが大切です。
秋～冬に流行すると言われていたRSウイルス感染症も、最近は夏から
流行り始めるようになってきているため、通年注意が必要です。
一番の予防法は手洗いです！夏でも油断せず、しっかりと手洗いをしていきましょう。
シナジス注射の対象でないお子さんも、乳児期～幼児期に感染すると重症化する
場合もありますので、注意してください。
当院でも、RSウイルスの迅速検査ができますので、心配な症状があるときには
早めに受診を検討してみてくださいね。

渡辺