御礼とご報告:第5回パパママセミナーを終えて

平成30年12月16日(日)に開催しました、第5回パパママセミナーのご報告をいたします。

ご参加くださった皆様、日曜日の午前中という貴重な時間帯にお集まりいただき、心より御礼を申し上げます。

年をまたいでの遅いご報告となりましたことを心よりお詫び申し上げます。

 

今回は、第2回(平成30年9月9日)のセミナーと同じく、「スキンケアと食物アレルギーの関係について」がテーマでした。

食物アレルギーの発症には、乳児期における経皮的な抗原感作が関与すること、さらに、乳児期の皮膚トラブル(湿疹や皮膚炎)が、食物アレルギー発症の誘因となり得ることなどを解説しました。つまり、食物アレルギーを予防するためには、乳児期早期からスキンコンディションを出来る限り良い状態に保つことが重要であることを強調しました。また、スキンコンディションを良い状態に保つためには、単に「保湿」のみならず、「優しく適正に洗った上で、しっかり保湿」を実践して欲しいこともお伝えしました。

「優しく適正に洗う」には、1.ガーゼを使わない、2.素手で洗う、3.ぬるま湯程度の湯音がベスト!の3点がポイントであることをお話しました。中でも、3つ目の湯音については、参加者の皆様が意外に感じておられたようでした。

日本では、体が冷えないように「熱いお湯に、ゆっくり浸かる」とういう入浴文化が、根強いように思われます。参加者の皆様にお聞きすると、寒い季節となり、お子さんの体が冷えないように40~41℃の湯音で入浴されているとの声もありました。しかし、乳幼児の未成熟な皮膚の構造を考えると、熱すぎる湯音は、むしろスキントラブルを引き起こす原因になる可能性もあるのです。2016年に、Pediatric Dermatologyという権威ある学会は、「ヨーロッパにおける赤ちゃんの入浴時の湯温」として、37~37.5℃のぬるま湯程度を推奨しました。私からは、冬季の場合、浴室環境を温かい状態に保った上で、浴槽(ベビーバスも同様)の湯音は39℃程度で準備し少し冷めた適度なタイミングで入浴、シャワー洗浄時の湯音は38℃程度で良いでしょうとお伝えしました。

後半の質疑応答タイムでは、今回もパパ、ママから活発にご質問をいただきました。

『お風呂で顔や体を洗う時、洗剤が目や口に混入した場合の影響をどう考えればよいか』、『乳児期早期にあった湿疹が、その後落ち着いたのだが、今後、アトピー体質となる心配はないのか』、『母乳栄養中の食事(食材)制限は必要なのか』、『吐物や下痢便の付着したシーツや衣服の管理はどうすればよいのか』などなど、意識の高いご質問をいただき、それぞれの質問に、私なりの視点と情報を加えてお答えさせていただきました。

今回も少人数ならではのアットホームな雰囲気の中で、子育て真っ只中の皆様とお時間を共有できたことを小児科医として嬉しく感じました。このセミナーが、少しでも皆様の育児のヒントになれば幸いです。

では、次回、1月27日(日)「小児科医が伝えたい母乳のお話し」のセミナーで、皆様とお会いできることを楽しみにしております。

 

メディカルパーク湘南こどもクリニック

正木 宏

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