舌圧子って。

みなさま、こんにちは。
暑中お見舞い申し上げます。
適切な冷房・水分摂取で熱中症に気をつけたいですね。

さて、夏とはいっても風邪とは無縁になれない今日この頃。
小さなお子様が熱や咳、鼻水の症状でクリニックへ受診にいらっしゃいますが、
必ず使うのが「舌圧子」ですね。私も昔から当たり前に使われ、喉の奥の状態を診てもらっていました。
しかし、当クリニック院長の正木先生は「舌圧子は極力使いたくない派」なのです。私はこれを聞いたとき驚きました。今までなんだったのかと・・・。
体調が悪く受診している時は嘔吐反射で嫌だった記憶があります。見ているだけでかわいそうですよね。
舌圧子を使わずにどうやって診るのか・・・
「お口をあけて、べろ(舌)を出しながら「あ~」って声をだして。」と先生は言ってペンライトを使って喉をみます。これだけでいいのです。
どうしてもお口が開けられないような、小さなお子様には舌圧子を必要とすることもありますが、もし良かったら、お家で「お医者さんごっこ」で遊びながら練習をしてみてはいかがでしょうか?

クリニックへ受診することになった時に、先生の前で上手に喉を診てもらえるといいですね。

看護師 松岡

舌圧子って。” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    私は舌圧子が苦手なので舌圧子を使わないで喉を見る方法が分かって助かりました。

    1. メディカルパーク湘南こどもクリニック より:

      我々の取り組みに対する共感のコメントをお寄せくださりありがとうございました。
      口腔咽頭所見の診察は、小児科診療における「イロハのイ」といえる程、大切です。従来、口腔咽頭所見の診察は、舌圧子という医療器具を用い、舌の根っこをグッと押し下げるようにして行います。しかし、この方法は、こども達にとって、とても辛い医療行為の一つでもあります。舌圧子の圧迫により、“オエッ”となる不快な体験は、嫌悪体験として記憶され、「お口、アーン出来るかな?」と言っただけで大泣きしてしまう子もいる程です。

      人は、喉の奥(舌根部、咽頭部後壁、口蓋扁桃部など)に触れられると吐き気を催します。そうした反応は、一般に嘔吐反射といわれますが、正確には「異常絞扼反射(いじょうこうやくはんしゃ)」といいます。この反射が強い人は、口の中を触られる、あるいは触ろうとするだけで反射が出てしまい、吐き気を催してしまいます。実は、この反射のために通常の歯科診療が行えないという人さえいるのです。もちろん、その程度には個人差がありますが、精神的な要因の一つとして、幼少期の『舌圧子による嫌悪体験』が、成人期にまで悪影響を及ぼしているケースが少なからずあると思われます。

      『大きなお口を開けて、ベロを出して、アーと発声!』を実践してもらうと、軟口蓋(喉の天井部分)が上方に持ち上がり、咽頭壁(喉の奥の壁)の観察が容易になります。つまり、下がっているシャッターを上げて、車庫の中を見渡せるようにするといったイメージです。舌の根っこを押し下げるのとは対極の方法ということになります。この方法で、上手に観察できたお子さんには、「とてもよく見えたよ!ありがとう」と伝えます。すると、次回からはもっと上手に喉の奥を見せてくれます。また、次回こそ上手に出来るようにと、自宅で、ご両親と鏡台の前で練習してきてくれるお子さんもいます。
      もちろん、こども達の全てがこの方法に応えられるわけではありませんので、舌圧子を用いた診察となる場合もありますが、可能な限り舌圧子を用いない方法をイラストで説明するようにしています。早い子だと2歳台で、マスターしてくれる子もいますよ。
      一人でも多くのこども達に『舌圧子による嫌悪体験』というトラウマが残らないよう、この取り組みを継続していこうと思っております。
      コメントありがとうございました。

      院長 正木 宏

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