座薬について🚀~Q&A編~
Q1.座薬をカットして使う指示がでたが、切り方は?
A1.座薬は規格が決まっているため(例えばアルピニー坐剤だと…50㎎・100㎎・200㎎の3種類)内服薬のように体重に合わせて細かく量を調整するのが難しいお薬です🤷♀️そのため、お子さんの体重によっては、おおよその量を調整するためにカットしなければいけないのです✂
⭐ 切り方 ⭐
個包装されている状態のまま、清潔なハサミやカッター、包丁で切ってください。薬の投与量には幅があるため(例:体重1kgあたり10~15mg)目分量で構いません。切った残りの座薬は破棄しましょう。

Q2.座薬を入れた直後に出てきてしまった💦
A2.前回のブログの“★なぜ「大人の人差し指の第1関節が入るくらい」まで座薬を入れるの?★”のところでも書きましたが…
座薬の挿入が浅いと、お子さんが力んだり踏ん張ったりしたら座薬が出てきてしまうことがあります。また、座薬を入れた刺激で排便が誘発されて、便と一緒に座薬が出てきてしまうことがあるため、可能であれば排便を済ませてから座薬を入れるのがベストです💩
万が一、座薬が出てきてしまった時は、まだ指で持てる状態であればそのまま入れ直してOK👌座薬は5~10分程で溶けて吸収されます。直後に排便してしまった場合も、便の中に座薬が残っていなければ、既に吸収されていると考えられるため、追加の座薬は不要です。
Q3.2種類の座薬を処方されたが、入れる順番は?
A3.座薬は、薬効成分と基材で作られています。基材が溶けることによって、中にある薬効成分が体に吸収され効果がでてきます。
💊薬効成分:体の中で作用し、目的とする効果を出す薬の主成分
🔶基材:薬効成分が体内の適切な場所で吸収されて効果が出るように薬を包んでいる物質
⭐ 入れる順番 ⭐
緊急を要する症状の座薬から入れるのが原則ですが、基剤が水溶性か油脂性かによって順番が異なるため注意が必要です。
💙水溶性:ダイアップ、ナウゼリンなど
💛油脂性:アルピニー、カロナール、アンヒバ、アセトアミノフェンなど
座薬の基剤が同じ場合:①緊急を要する症状の座薬→②5分以上あけて2個目
座薬の基剤が異なる場合:①水溶性→②30分以上あけて油脂性
❓基剤が異なる座薬を使用する場合、なぜ先に油脂性基剤の座薬を入れたらだめなの?❓
油脂性の座薬を先に挿入した場合、直腸内に油脂性基剤が残ります。その状態で水溶性の座薬を挿入すると、水溶性基剤の中にある薬効成分は直腸の粘膜に吸収されず、直腸内に残っていた油脂性基剤に吸着されてしまうため、薬の効果が十分に得られなくなってしまうからです💦
もし間違えて、先に油脂性の座薬を入れてしまった時は、3時間以上間隔をあけてから水溶性の座薬を入れましょう。

少し専門的なお話になってしまったので、分かりやすく例をお伝えすると…
🤮発熱と嘔吐のある胃腸炎の場合は…①ナウゼリン→②30分以上あけてアルピニー(解熱剤)
🤒熱性けいれんの予防投与として抗けいれん薬を処方されており発熱があった場合…①ダイアップ→②30分以上あけてアルピニー(解熱剤)
上記に当てはまるような症状で座薬を処方された時には、この順番で座薬を入れてください🚀使い方や順番など、分からないことがあればお気軽にご相談くださいね!
お子さんの体調が悪い中で座薬を使わなければいけないので、「確実に入れなければ…!」とママ・パパも緊張しますよね😥しかし、正しい使い方さえできれば、座薬はお子さんの辛い症状を和らげてくれる強い味方になってくれると思いますので、お薬の選択肢のひとつとして知っていただければ幸いです🍀
看護師 手塚