2025年シーズンのシナジス®投与

シナジス®によるRSウイルス感染症予防 2025年シーズンは3月から開始します。

2025年シーズンのシナジス®投与について

日本小児科学会神奈川県地方会感染症小委員会は、神奈川県における2025年シーズンのRSウイルスの流行時期を3月~10月と設定しました。同委員会は、流行期間の設定根拠を神奈川県における過去7年間の流行状況に加え、直近(2024/12/16~12/22)の定点当たりの患者報告数(0.28)などを参考に、昨年とほぼ同様の流行開始を想定し、3月から概ね8回(10月まで)を標準的なシナジス®投与期間として勧奨しており、当院はその勧奨に準拠してシナジス®投与を行うこととします。

保険適応(乳児医療の費用負担)でシナジス®を投与できる対象者は、RSウイルスに感染すると症状が重症化しやすい以下の①~⑪のいずれかの条件に該当する児です。なお、⑦~⑪の5疾患群は、2024年度より、シナジス®投与の適応に追加されました。

シナジス®投与対象者
▼投与開始時点で、以下の①~⑪のいずれかの条件に該当する児です。

  • ① 在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児
  • ② 在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児
  • ③ 過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児
  • ④ 24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児
  • ⑤ 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児
  • ⑥ 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児
  • ⑦ 24ヵ月齢以下の肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児
  • ⑧ 24ヵ月齢以下の気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児
  • ⑨ 24ヵ月齢以下の先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児
  • ⑩ 24ヵ月齢以下の先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児
  • ⑪ 24ヵ月齢以下の神経筋疾患の新生児、乳児および幼児

基本的には、予防接種・健診の時間帯に行います。
シナジス®は、予防接種ではないので、予防接種との同時投与も可能です。
当院にてシナジス®投与をご希望される方は、お子さんがシナジス®投与対象者に当たるかをご確認の上、お電話にてお問い合わせください。
様々な理由で、大学病院や総合病院への通院が困難な場合は、当院でシナジス®投与を行うことも可能です。主治医の先生とご相談ください。

国内における抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤は、2002年に導入されたシナジス®(パリビズマブ)に加え、2024年には長時間作用型という特徴を有するベイフォータス®(ニルセビマブ)が導入されましたが、当院では、ベイフォータス®の投与について現時点では対応しておりませんので、何卒、ご理解、ご注意の程、お願いを申し上げます。


院長 正木 宏